「実用SSH 第2版」補足: 2006

Last modified: Thu Jan 10 11:25:26 2008 +0900 (JST)


オプションを指定しない場合の ssh-keygen の挙動と --help オプションの扱いについて (2006.12.04)

 6.2.1.1 (p.247) には、OpenSSH の ssh-keygen について「新しい鍵を生成する場合、-t オプションを使って鍵の形式(DSAまたはRSA)を指定しなければならない」と書かれています。しかしこれは、OpenSSH 4.3 以降では正しくありません。OpenSSH 4.3 以降では、無指定時には -t rsa が仮定されるようになりました。

 これに伴い、--help オプションを指定したときの ssh-keygen の挙動 (7.1.1、p.284) も変化しています。OpenSSH における --help オプションの挙動には、OpenSSH が使用する getopt(3) ライブラリ関数が関係しています。OpenSSH 4.2 以前においては、getopt(3) がどのように動作しても、結果としてはオプション一覧が表示されました。しかし OpenSSH 4.3 以降では、次のようになります。

 ここで注意しなければならないのは、OpenSSH は必ずしも OS 付属の getopt(3) を使うわけではない点です。portable 版の OpenSSH は、OS 付属の getopt(3) が optreset に対応しているか否かを検査し、対応していないと判断した場合には、portable 版 OpenSSH に添付されている openbsd-compat/getopt.c を使用します。この getopt(3) は『--help を異常なオプションではなく「オプションの終了」として認識する』ため、OS 付属の getopt(3) とはオプションの扱いに微妙な違いが発生することがあります。

 以上に関連して、7.1.1 (p.284) の注に関する訂正を、訂正ページに載せました。_o_

SSH パスワード認証に対する総当たり攻撃への対抗ツール (2006.11.29)

 SSH のパスワード認証に対する総当たり攻撃への対応については付録 G にあるとおりなのですが、 現実問題として

についてはできかねる、という場合も多々あろうかと思います。 そのような場合には、パケットフィルタなどと組みあわせて、複数回ログインに失敗した場合にはアクセスを禁止する、ようにすると効果的です。 このためのツールが複数存在します。

 この他にもいろいろあると思います。SSH パスワード認証に対する総当たり攻撃への対抗ツール にまとめておきました。

Poderosa 4.1.0 が出ています (2006.11.24)

 Poderosa 4.1.0 が出ています。エージェントフォワーディングへの対応などが追加されました。

SECSH 公開鍵ファイル形式が RFC4716 になりました (2006.11.24)

 SECSH 公開鍵ファイル形式 (p.245) が RFC4716: The Secure Shell (SSH) Public Key File Format (IETF) として標準化されました。

GnuPG 2.0 が登場しました (2006.11.14)

 GnuPG 2.0 が登場しました (リリースアナウンス)。

 GnuPG 2.0 には gpg-agent というツールが含まれており、これは SSH エージェントとしても動作するそうです。また、SSH のためのスマートカードのサポートが含まれるそうです。


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