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[connect24h:2921] Re: 【質問】ホームディレクトリより出られたくない時
- To: connect24h@xxxxxxxxxx
- Subject: [connect24h:2921] Re: 【質問】ホームディレクトリより出られたくない時
- From: Katsuyuki Maeda <kei@xxxxxxxxxxx>
- Date: Tue, 19 Feb 2002 14:52:14 +0900
こんにちは。前田@nanetです。
chrootによるshell環境構築の話ですが、私は運用上、chrootな
shellをユーザに与える運用をしたことがありませんのでそれを
ご承知下さい。事情は後述します。
すでにご説明頂いていますが、chroot(2)というシステムコールと
それを使うための、chroot(8)というコマンドがあります。
もし、「chrootコマンドを使うだけで全ての環境ができあがる」
ことを期待しておられたのでしたら、残念ながら期待はずれです。
チュートリアルとして、以下の様な環境を作ってみて下さい。
~user/
tmproot/
bin/
sh ← /bin/sh をコピー
rootで、chroot ~user/tmproot /bin/sh
を実行すると、/tmprootがあたかも/であったかの様にshellが
立ち上がります。これがchrootの提供する機能です。
これで、(OSにセキュリティホールがなければ)/tmprootの外に
出る方法がなくなります。
これを利用して、/tmprootの中にユーザが必要な環境を全て
構築して、さらに(a)/tmprootの中にchrootしてからshellを起動する
ようなshellを与えるか、あるいは(b)/tmprootの中でユーザの
接続を待ち受けるかすれば、/tmprootの外に出られないshell環境
を構築することができます。
(a),(b)には各々長所と短所がありますので、自分が構築したい
環境に合わせて、選択してください。
chrootの機能をさらに高度にしたものに、jailがあります。
もともと、chrootは封じ込めの為に作られたものではないので、
chrootでは、chroot下でroot権限を持たれたら事実上何でもできて
しまうので、封じ込める環境としては十分ではありません。
このために、FreeBSDにはjailという機能があり、こちらは
その名前が示す通りに、封じ込めを目的として作られています。
このコマンドのマニュアルページには、jail環境の構築についても
触れられており、chroot環境の作り方のヒントにもなると思います。
実際のところ、chroot環境やjail環境を構築して、ユーザーに提供
するのは非常に大変です。
jail環境ならば、まだ苦労に見合った効果が得られる様ですが、
chroot環境ではroot権限を得られれば、封じ込めの効果はなくなり
ますので、多くの場合ユーザにも管理者にも満足のいく環境を構築
するのには相当の苦労をします。
chrootを使えば、信頼できない(技術的or倫理的)なユーザにshell
を与えることができるわけではありません。
逆に、ユーザにとって満足の行く環境を提供することも難しい気が
します。
それだけの苦労をしても、chrootでshellを与える必要があるか
どうかはもう一度検討されることをお勧めします。
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kei@xxxxxxxxxxx <Katsuyuki Maeda> (http://www.nanet.co.jp/~kei/)
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